この記事でわかること
- よくある介護サービスのトラブル事例
- クレームを伝えるときの注意点と順序
- 実際に確認すべき書類(契約書・ケアプラン)とその活用方法
- ケアマネや自治体への相談の流れとポイント
はじめに:介護サービス、こんなときどうする?
「デイサービスで頼んでいた対応がされていない…」
「訪問介護の内容が毎回違っていて不安」
介護サービスを利用していると、
「何か違う気がするけど、どう伝えてよいかわからない」
というモヤモヤを感じることがあるかもしれません。
本記事では、よくあるトラブル事例や、
感情的にならずに問題を解決に導くための
**「考え方」と「伝え方」**を具体的に整理します。
よくある介護サービスのトラブル事例
利用者や家族から多く寄せられる「よくあるトラブル」は以下のようなものです。
よくある不満・トラブル | 内容の例 |
約束されていたサービスが受けられていない | 「入浴介助があるはずだったのに、今日はありませんでした」 |
担当者が毎回違い、サービスにばらつきがある | 「内容の伝達がうまくいっておらず、準備がされていない」 |
利用者への言葉づかいや対応が不適切に感じられる | 「高圧的な態度にストレスを感じる」 |
記載されていない費用の請求がある | 「契約にない消耗品費を請求された」 |
📌 これらの不満は、すぐに「クレーム」として伝えるのではなく、
まずは「記録」し、「契約内容との違い」を確認することが第一歩です。
不満を上手に伝えるために:感情より“事実”を伝えよう
不満を伝えるときに最も大切なのは、
「感情」ではなく「事実と内容」に焦点を当てることです。
📌 ポイント
- いつ・どこで・誰が・何をした(しなかった)かを記録
- 契約書やケアプランと照らし合わせて、違いを確認
- 書面が難しいと感じたら、ケアマネに次のように相談
「○○について××だと思っていたのですが、契約書や計画書のどこかに記載されていますか?」
必要に応じて、
「今後は書面にも明記してもらえますか?」と依頼するのも、再発防止につながる方法です。
トラブル対応の流れと相談窓口
問題があると感じたときは、次のような順番で進めていくとスムーズです。
📌 相談のステップ
① 記録を残す
事実をメモ・録音・写真などで残しておく
② まずはケアマネに相談
ケアマネはサービス全体の調整役です
その場で解決できることも多くあります
③ 事業所の管理者に伝える
サービス提供者側に直接改善を求める
④ 自治体の窓口に相談
市町村の高齢福祉課や地域包括支援センターで中立的な対応が受けられます
⑤ 都道府県へ苦情申し立て
最終手段として、都道府県の介護サービス相談窓口を利用します
クレームをきっかけに「改善」へつなげる
不満やトラブルは、サービスをより良くするための**「改善の種」**です。
「ここをこうしてほしい」
「今後はこのようにしてほしい」
という具体的な提案として伝えることで、
関係が悪くなることなく、前向きな解決につながるケースも多くあります。
介護サービスを利用するための“考える力”
介護サービスは「制度」と「実際の運用」にズレがあることもあります。
書類に記載された内容、説明されたこと、実際の対応――
これらが一致しているかを見極めるためにも、
**「自分のケースに当てはめて考える力」**が大切です。
まとめ:安心して利用を続けるために
ポイント | 内容 |
トラブルを感じたら | まずは記録することが大事 |
伝えるときは | 感情的にならず、事実と書面との違いを確認 |
相談窓口 | ケアマネ→事業所→自治体→都道府県の順で対応 |
伝え方次第で | 不満が“改善のヒント”に変わる |
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🔹 著者情報
📌 この記事を書いた人
- 社会福祉士 / 居宅介護支援専門員
- 居宅介護支援事業所・通所介護事業所を経営
- 介護保険申請の難しさを感じ、ブログを通じて情報発信中
🔗 公式情報
📌 介護保険制度の詳細は、厚生労働省の公式ページをご確認ください。
➡ 厚生労働省 介護保険制度