第23回:介護認定の更新タイミングと注意点!要介護度が変わる理由とは?

介護サービスの利用と実践(実際にサービスを使う段階)

この記事でわかること

  • 介護認定の「有効期限」と更新手続きの流れ
  • 要介護度が変わることで起こる変化と注意点
  • 軽くなった場合の対応方法と不服申立ての考え方
  • ケアマネへの相談時に備えておきたい視点

介護認定には「有効期限」がある

介護認定を受けたら、それがずっと続くわけではありません。
要介護度には**「有効期限」**があり、一定期間ごとに「更新申請」が必要です。

更新時に行われること:

  • 訪問調査(チェックシート):実際の生活状況を聞き取り・観察
  • 主治医意見書:医師が心身状態を記載

📌 詳しくは以下の記事も参考に
👉 [第3回]:訪問調査の内容を知ろう!
👉 [第4回]:医師の意見書で伝えるべきこと
👉 [第5回]:介護認定の結果が出るまで

要介護度が変わると、どうなる?

認定更新によって、要介護度が「軽く」なったり「重く」なったりすることがあります。
介護度が変わると、利用できるサービス量や費用負担にも影響が出ます。

支給限度額とは?介護度によって変わるサービス量

介護保険では、要介護度に応じて使えるサービス量の上限「支給限度額」が決まっています。

要介護度支給限度額(月)自己負担額(1割)利用できる目安(例)
要介護1約167,650円約16,765円デイサービス週3回+訪問介護週1回
要介護3約272,480円約27,248円デイサービス週4回+訪問介護週2回+福祉用具など
要介護5約362,170円約36,217円デイサービス週5回+訪問介護週3回+福祉用具多数

📌 上記はあくまで目安です。実際のプランは生活状況や本人の希望により異なります。

介護度が軽くなると困るケースも?生活への影響に注意

「介護度が軽くなった=良くなった」とは限りません。
特に高齢期(80〜90代)では、現状維持自体が大きな努力の成果といえます。

よくある生活上の変化

  • 利用回数の制限
     例:デイサービスが週4回 → 週3回に減り、1回分家族が対応
  • 本人の活動機会が減少
     例:週3回のデイサービスが週2回になり、外出の機会が減り、家で過ごす時間が増えたことで活動量や会話が減少。筋力や認知機能が低下してしまった
  • 介護者の負担増
     例:安心して外出・仕事ができていた時間がなくなり、在宅対応が必要に

🧠 実際、入院や引きこもりが続くと、認知機能や身体機能の低下につながりやすいことが、研究や現場でも報告されています。

認定が軽くなったとき、どうすればいい?

ケアマネジャーが新しい介護度にあわせてプランを調整してくれますが、
支給限度額を超える場合には、自費サービスの検討も必要になることがあります。

📌「不服申立て(区分変更申請)」も可能です。

ただし、感情的に「納得いかない」と言うのではなく、具体的に何が困るかを整理しましょう。

例:
「週3回のデイサービスが減ると、入浴の機会が減って清潔が保てない」
「家族が仕事を休むしかなくなる」
「本人が孤立してしまう可能性がある」

ケアマネに相談するときの視点

認定結果に納得できないときやプランに不安があるときは、冷静にケアマネに相談しましょう。

以下のような視点で整理すると、相談がスムーズになります。

  • 今後どのくらいサービスが必要か?(例:週〇回の通所介護)
  • 家族の介護負担はどの程度か?(例:仕事と両立できるか)
  • 軽くなった結果、どのような支障が出そうか?(例:転倒リスク、閉じこもり)

まとめ&次に読むべき記事

ポイント内容
有効期限と更新訪問調査と主治医意見書が必要。期限前に準備を
サービスへの影響要介護度が変わると、支給限度額やサービス量に影響
軽くなる=良いこと?実際には生活への支障が出ることもあるので注意
不服申立ても視野にケアマネと相談しながら、生活の実情を具体的に伝えることが大切
考える力と質問力が大切制度に合わせるのではなく、自分の暮らしに合う支援を選ぶ視点を持つ

📖 次に読むべき記事
[第24回]:認知症の介護保険活用法!適用サービスと家族が知っておくべきこと



介護保険の申請をスムーズに進めるための考え方について、こちらの記事で詳しく解説しています。

🔹 著者情報

📌 この記事を書いた人

  • 社会福祉士 / 居宅介護支援専門員
  • 居宅介護支援事業所・通所介護事業所を経営
  • 介護保険申請の難しさを感じ、ブログを通じて情報発信中

🔗 公式情報
📌 介護保険制度の詳細は、厚生労働省の公式ページをご確認ください。
➡ 厚生労働省 介護保険制度

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